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著者:○陣内 慶大, 甲斐 敬太, 佐藤 有記, 峯崎 晃充, 山内 盛泰, 三根 夢花, 龍 由希子, 倉富 勇一郎, 末岡 榮三朗, 相島 慎一題名:P-2-36 穿刺吸引細胞診で乳頭癌を疑った硝子化索状腫瘍の1例発表情報:第61回日本臨床細胞学会総会(春期大会), 2020, 6, 20 - 7, 19(Web開催)キーワード:概要:【はじめに】硝子化索状腫瘍は,稀な甲状腺腫瘍で,核内細胞質封入体および核溝が認められることから細胞診検体で甲状腺乳頭癌と誤認されやすい.今回,細胞診で乳頭癌と判定した硝子化索状腫瘍を経験したので報告する.
【症例】60歳女性.不正性器出血を主訴に当院婦人科受診.画像による精査で甲状腺右葉に腫瘤を指摘され,当院耳鼻咽喉科紹介となった.甲状腺右葉に最大長径3.2cm程の腫瘤が認められ,穿刺吸引細胞診が施行された.細胞診で乳頭癌の判定であり,甲状腺右葉切除およびリンパ節郭清が施行された.
【細胞所見】結合性の緩い異型細胞が小集塊にて出現しており,核は類円形から不整形で,大小不同を呈し,細胞質は豊富でレース状であった.また,多くの核内封入体,少数の核溝を認めた.以上の所見より乳頭癌を推定した.
【組織所見】すりガラス状の核を有する腫瘍細胞が索状に増殖し,核溝や核内封入体を多数認めた.硝子様間質も伴っており,硝子化索状腫瘍を鑑別に挙げて免疫染色を施行した.腫瘍細胞はCK19陰性でKi-67が細胞膜及び細胞質に陽性を示し,硝子化索状腫瘍と診断した.また,硝子化索状腫瘍と離れた部位に,極微小の甲状腺乳頭癌も認められた.
【まとめ】本症例の細胞像では,多数の核内封入体および核溝を認め,硝子化索状腫瘍の特徴である硝子物や,索状配列は明瞭ではなかった.硝子化索状腫瘍は稀ではあるが,甲状腺細胞診検体の鏡検時に失念してはならない腫瘍である.抄録:日本臨床細胞学会雑誌 59巻Suppl.1 Page316英語フィールド
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