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著者:末岡 榮三朗題名:S-8-5 緩和医療と輸血 (在宅及び小規模医療機関における輸血医療支援体制)発表情報:第68回日本輸血・細胞治療学会学術総会(誌上開催), 2020, 5, 28 - 30キーワード:概要:2025年問題における地域医療構想の再編成が進んでいる.在宅医療の整備はその中でも最重要課題であり,これまで高度急性期病院や地域の中核病院で行われていた医療が,小規模医療機関や在宅医療の現場に移行することを意味している.当然,輸血医療も在宅や小規模医療機関で実施される場面も増加すると考えられる.輸血医療を小規模医療機関や在宅医療の現場で行うためには,安全かつ適正な輸血が輸血医療の専門家がいない医療現場で実施されうる体制を構築する必要がある.さらに,単なる患者が医療を行ける現場の移動にとどまらず,医療技術や治療法の進歩により,医療の内容も大きく変化しつつあることも考慮すべきである.北澤らが作成した「在宅赤血球輸血ガイド」は,対象疾患,目的,条件,実施すべき検査等,在宅輸血を安全かつ適正に行うための方向性を示した.このガイドを基盤としてすでに在宅輸血医療は実施されており,様々な医療現場の工夫や対応が進められている.たとえば,輸血医療の経験の少ないスタッフへの教育と啓蒙輸血検査の実施体制の整備,輸血製剤の輸送や管理輸血前後の副作用のモニタリング,輸血後の病態と効果の評価などである.今後,在宅や小規模医療機関での輸血医療が全国的に展開されることを考えると,上記問題点を解決するためには,輸血医療の経験の少ないスタッフへの教育と啓蒙を推進しつつ,在宅診療スタッフ(施設)と,輸血医療に精通したスタッフを有する施設との連携強化が重要となる.在宅医療のための遠隔医療プラットフォームの構築も連係強化の対策の一つである.本シンポジウムでは在宅医療や小規模医療機関において,安全かつ適正な輸血が行えるためには何が必要かについて考察したうえで,現実的な取り組みの実例について紹介する.抄録:日本輸血細胞治療学会誌 66巻2号 Page270英語フィールド
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