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著者:吉岡剛彦 読み: ヨシオカタケヒコ題名:滝沢哲学から「意味なき生」を考える:「ただの人」の今日的意義にかんする研究ノート発表情報:滝沢克巳協会編『今を生きる滝沢克巳──生誕110周年記念論集』新教出版社 ページ: 200-216キーワード:概要:元九州大学教授の宗教哲学者・滝沢克巳の生誕110周年を記念する論集への寄稿である。拙稿では、2016年の相模原市知的障害者施設殺傷事件に関連して社会学者・杉田俊介が述べた「生の無意味さ」論を機縁とした上で、障害者学で論じられている資本主義的な「能力主義」批判なども参照しつつ、これを滝沢哲学の「インマヌエル」(神われらと共に在す─絶対者である神によって厳に生かされて在る人間存在)の中心思想、そこから導出される「ただの人」(人間存在とは、神によって等し並みに端的に置き定められて在るのみであって、ただひたすら神の呼びかけにその都度に適切に応答しようとすることのみが唯一最上の課題であって、他人よりも〝より高く、より強く〟あろうとする努力は不必要であると共に不可能であり、われわれ人間存在は、貴賤優劣の別も無しに〝ただの人〟である[べき]こと)の議論を関連させながら、人間存在を〝低さ、弱さ〟の側から積極的かつ肯定的に照らし出した滝沢哲学の現代的意義を考えるために。敢えて「人間の生を無意味である」と捉える意義を筆者なりに考究した。抄録:英語フィールド
Author:Takehiko YOSHIOKATitle:Announcement information: Page: 200-216