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手かざしは「治療」といえないか?−−信仰にもとづく「医療ネグレクト」と宗教的マイノリティ

発表形態:
原著論文
主要業績:
主要業績
単著・共著:
単著
発表年月:
2012年10月
DOI:
会議属性:
指定なし
査読:
リンク情報:

日本語フィールド

著者:
吉岡剛彦
題名:
手かざしは「治療」といえないか?−−信仰にもとづく「医療ネグレクト」と宗教的マイノリティ
発表情報:
法社会学:マイノリティと法 号: 77 ページ: 14-34
キーワード:
概要:
本稿の研究目的は、信仰にもとづく医療ネグレクトとされる事件の考察を通して、現行法制度とそれを下支えする社会的多数者の側が、宗教的マイノリティに対して、いかなる応接をなすべきかを討究することである。 具体的には、重度のアトピー性皮膚炎の乳児に対して「適切な医療」(病院での診察治療など)を受けさせずに死なせたとして、その両親が保護責任者遺棄致死罪で起訴されたケースに着目する。 本件の被告両親は、単に治療を懈怠していたわけではなく、みずからの信仰する教団の教義にしたがって「手かざし」による“治療”を続けていた。つまり本件では、治療一般の放棄ではなく、ほかならぬ近代西洋医学の治療を受けさせなかったことが、医療ネグレクト(保護責任者遺棄罪における不保護)に該当すると法的評価を受けた。 ここから、補完代替医療の普及状況や、科学哲学や医療人類学の知見を参照しつつ、近代西洋医療の相対性を摘示した上で、ドイツ法哲学における確信犯論を参照しつつ、自己の確信=信仰にもとづき「正しい」と信じて行為した法違反者に対する法制度(それを主管する社会的多数者)の謙抑的=反省的な対応の必要性を結論として提示する。
抄録:

英語フィールド

Author:
Title:
Announcement information:
Issue: 77 Page: 14-34


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