日本語フィールド
著者:吉岡剛彦題名:住民自治と「公共性」−−住民投票の対象事項画定をめぐって発表情報:法政研究 巻: 74 号: 3 ページ: 609-627キーワード:概要:本稿は、住民投票における対象事項画定問題について考えることを通じて公共的=集合的決定(多数決としての民主主義)の限界点を探る試みである。住民投票の対象事項画定は、地域社会において「みんな(多数者)で決めて良い事柄」と「みんなで決めてはならない事柄」とを区分する問題である。これは、多数者意思に敢えて抗してでも固守されるべき少数者(マイノリティ)の権利利益とは何か?を考える問いでもあり、民主主義と立憲主義の相剋という古典的問題にも重なり合う。本稿では、何を対象事項とすべきではないか?と発想する実体的思考をひとまず斥け、当該の対象事項(テーマ)をどのように討議すべきであるか?と発想する手続的思考を考えるなかで、住民自治(住民投票プロセス)における「公共性」について一言した。試論的ながら、公共的対話が具備すべき様態の一つを「私があなただったならば=私があなただったかも知れない」と<自他の互換性=自己の偶然性>に想いをめぐらせつつ言葉を取り交わす自省的な在り方に求め、こうしたリフレクシヴな対話を確保するために、住民投票(運動)のプロセスを司法的に一時差止めする仕組みを暫定的見解として提示した。抄録:英語フィールド
Author:Title:Announcement information: Vol: 74 Issue: 3 Page: 609-627