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著者:橋口真理子, 秀島未紗子, 大隈良一, 福田亜紗子, 大隈恵美, 野口光代, 内山倫子, 梅崎 靖, 横山正俊題名:P-2-22.妊娠中に増大した子宮頸部腫瘍の細胞診〜2 症例を振り返って〜発表情報:第61回日本臨床細胞学会秋期大会(ハイブリッド開催), 2022,11, 5-6(現地開催), 2022,11,10-15, 2022,11,17-12,12(オンデマンド配信)キーワード:概要:【はじめに】妊娠中の子宮頸部細胞診では,採取による出
血を避けるため,細胞採取が不十分になりやすいことや,
脱落膜細胞や化生細胞など鑑別を要する細胞が混在し,
正確な診断が困難な場合がある.妊娠中に増大した子宮
頸部腫瘍に対して行われた細胞診について,組織学的な
結果をふまえ後方視的に検討した.
【症例提示】症例 1;30 代初産婦,妊娠初期の細胞診
HSIL.狙い組織診は CIN3.しかし,妊娠 18 週時にポ
リープ状の隆起病変を認め,細胞診 HSIL,組織診で腺
癌の診断.妊娠 29 週で帝王切開し,その後広汎子宮全
摘術となった.最終診断は子宮頸部腺癌 Ib1 期および
C IN3.症 例 2; 30 代 初 産 婦,妊 娠 初 期の細胞診は
NILM.妊娠 23 週時にピンポン大の頸部腫瘤を指摘さ
れ紹介.細胞診は LSIL.組織診では,p16 陽性の異型
平上皮の乳頭状増殖がみられ,コンジローマ様癌や疣状
癌などの否定が困難な所見.MRI では子宮頸癌疑い.
妊娠 29 週で帝王切開し,その後に子宮全摘を計画する
も,妊娠帰結後に頸部腫瘍が著明に縮小.再生検で尖圭
コンジローマの診断.
【考察】症例 1 については CIN3 を示唆する細胞所見は確
認できていたが,腺癌を示唆する異型細胞は妊娠初期,
分娩直前のいずれも出現していなかった.症例 2 につい
ては臨床所見からは悪性腫瘍を疑ったが,細胞診では軽
度異形成の所見であり,細胞診が病変を正確に反映して
いた結果であった.
【結語】妊娠中に増大した子宮頸部腫瘍の 2 症例の細胞
診を検討した.妊娠中は細胞採取が不十分になること
や,妊娠による変化で,臨床経過と細胞診所見が乖離し
ている可能性を念頭にいれ,細胞診以外の情報や,採取
する側と細胞診を見る側との十分な連携が必要であると
考える.抄録:日本臨床細胞学会雑誌英語フィールド
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