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著者:橋口 真理子, 中尾 佳史, 野口 光代, 大隈 恵美, 西山 哲, 横山 正俊題名:症例報告 子宮頸癌との鑑別を要した妊娠中の"deciduosis"の1例発表情報:日本婦人科腫瘍学会雑誌 巻: 35 号: 1 ページ: 19 - 22キーワード:概要:近年の晩婚化と子宮頸癌の若年化により、妊娠中に浸潤子宮頸癌に遭遇することも稀ではなくなった。今回、浸潤子宮頸癌との鑑別を要した妊娠中の子宮頸部脱落膜変化の1例を経験したので報告する。症例は30代の初産婦。自然妊娠。妊婦健診で異常指摘なし。妊娠37週に性器出血あり前医受診、子宮頸部腫瘍を指摘され、当科受診。子宮頸部は強いびらんと乳頭状腫瘤を認め、易出血性であった。悪性腫瘍との鑑別のため、細胞診、組織診を行い、結果判明まで分娩方法は帝王切開の方針とした。38週1日自然陣痛発来したため、緊急帝王切開を実施した。術後経過は母児ともに良好であった。術後に病理検査結果が判明し、細胞診NILM、組織診では脱落膜変化で、悪性所見は認められなかった。術後子宮頸部の病変は徐々に退縮し、産褥6ヵ月で正常外観となった。異所性脱落膜変化(deciduosis)は間葉系の未分化細胞の化生もしくは子宮内膜症に妊娠中のプロゲステロンが作用することにより生じるといわれている。肉眼的に確認できるような大きなものは稀だが、病理組織以外での悪性腫瘍との鑑別は困難である。今回の症例は、肉眼的頸部腫瘤を形成し、脱落膜変化を念頭に置かなかったために子宮頸癌との鑑別に苦慮した。抄録:英語フィールド
Author:Title:The deciduosis of the uterine cervix mimicking carcinoma in pregnant womanAnnouncement information: Vol: 35 Issue: 1 Page: 19 - 22