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著者:*比嘉 浩太郎, 松田 英敏, 上原 史成, 当真 孝, 東 千夏, 神谷 武志, 村田 大紀, 中山 功一題名:バイオ3Dプリンターで作製した脂肪由来幹細胞構造体がACL再建術の骨孔内骨 移植腱結合部治癒に与える効果発表情報:第36回日本整形外科学会基礎学術集会(ハイブリッド開催), 2021,10,14-15(現地開催), 2021,11, 1-14(オンデマンド配信)キーワード:概要:【目的】中山らの開発したバイオ 3D プリンターを用いて
脂肪由来幹細胞(ADSCs)の細胞塊のみで作製した管腔状
構造体を,前十字靱帯(ACL)再建術における大腿骨孔の骨
- 移植腱間に移植して,骨 - 移植腱結合部の治癒過程に与
える効果を調査すること.
【方法】日本白色家兎 22 羽を使用した.それぞれの個体
の肩甲骨間の脂肪組織を採取し ADSCs を抽出,培養して
細胞塊を作製した.専用 3D ソフトウェアで細胞塊の三次
元配置を指定して 3D データを作成し,培養容器内の剣山
に立体積層することで管腔状の細胞構造体を作製した.そ
の後各個体の両膝に半腱様筋腱を移植腱として用いた
ACL 再建術を行い,右膝には ACL 再建時に ADSCs 構造
体を大腿骨孔内の骨 - 移植腱間に自家移植し(移植群),左
膝には移植せず ACL 再建術のみを行った(コントロール
群).移植期間を 3 週,6 週,および 12 週の 3 群に分け,
それぞれ 7 羽ずつ手術した.うち 6 羽は引張試験と μCT
を用いた大腿骨孔内骨 - 移植腱結合部の新生骨体積計測を
行い,1 羽は組織学的評価を行った.また 1 羽を手術直後
に屠殺し,術後 0 週として組織学的評価を行った.
【結果】引張試験では,術後 3 週において移植群はコント
ロール群に比べて破断強度が有意に高値であった.術後 6
週,12 週でも移植群はコントロール群に比べ破断強度が
高い傾向であった.大腿骨孔内新生骨体積は術後 3 週では
移植群がコントロール群に比べ有意に低値であったが,そ
の後増加し,術後 6 週では移植群がコントロール群に比べ
有意に高値であった.組織学的評価では,移植群はコント
ロール群に比べ早期より腱 - 移植腱間にシャーピー線維を
認めた.
【考察および結論】家兎の ACL 再建モデルにおいて
ADSCs 構造体の移植により術後 3 週から移植腱の骨孔へ
の固着が強固になり,術後 3 週以降で骨孔内新生骨体積の
増加を認め,早期の骨 - 移植腱結合部の治癒に有利に働く
と考えられた.抄録:日本整形外科学会雑誌 95巻 8号 Page S1715英語フィールド
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