日本語フィールド
著者:吉田裕樹, 三宅靖延, 平川奈緒美題名:免疫抑制性サイトカインIL-27による疼痛制御発表情報:慢性疼痛 巻: 41 号: 1 ページ: 14-21キーワード:概要:疼痛は生体に対する侵害刺激が加わった場合に知覚する感覚であり,その知覚はさまざまな制御を受ける。IL-27は,IL-12サイトカインファミリーに属し,免疫や炎症を抑制する作用を持つサイトカインである。IL-27受容体WSX-1,およびIL-27のサブユニットであるp28やEBI3を欠損するマウスは,熱・寒冷刺激,機械刺激,化学刺激のいずれに対しても,野生型マウスに比べて高い感受性を示した。これらIL-27シグナル欠損マウスは,炎症や組織損傷を伴わない無処置の状態でも,野生型マウスより高い疼痛感受性を示した。また,野生型マウスにIL-27中和抗体を投与する実験においては,投与後60分程度から疼痛閾値の低下が認められた。これらの結果は,IL-27が痛覚を恒常的に負に制御していることを示している。また,IL-27による疼痛制御は,オピオイドとは別の経路を介していると考えられた。以上の結果から,IL-27シグナルは新規鎮痛薬開発の有望な標的となることが考えられる。抄録:英語フィールド
Author:Title:Announcement information: Vol: 41 Issue: 1 Page: 14-21