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赤痢アメーバ"含硫脂質代謝"を標的とする阻害剤の探索

発表形態:
原著論文
主要業績:
主要業績
単著・共著:
共著
発表年月:
2019年06月
DOI:
会議属性:
指定なし
査読:
無し
リンク情報:

日本語フィールド

著者:
見市 文香, Tam Vo Kha, Deloer Sharmina, 吉田 裕樹
題名:
赤痢アメーバ"含硫脂質代謝"を標的とする阻害剤の探索
発表情報:
脂質生化学研究 巻: 61 ページ: 177-179
キーワード:
概要:
赤痢アメーバはヒトの大腸に感染し、アメーバ赤痢を引き起こす寄生原虫である。我々は赤痢アメーバの硫酸代謝の研究を行っている。硫酸代謝は生物界に普遍的に存在する重要な代謝経路である。これまでに、赤痢アメーバの硫酸代謝が含硫脂質代謝に特化し、6種類の含硫脂質が合成されることを見出している。そして合成される含硫脂質として、コレステロール硫酸と新規なfatty alcohol disulfatesを同定後、それぞれの機能解析を行った結果、fatty alcohol disulfatesが栄養体期の原虫の生存に、コレステロール硫酸がステージ移行であるシスト形成制御に必須な分子であることを見出した。以上のことから含硫脂質は生活環を通じて重要な代謝産物であり、その制御機構の解明は、寄生適応を知る、またアメーバ症治療薬の有用な標的を提示するうえで重要である。そこで、生物学的理解を深めるため、また薬剤開発に応用するために含硫脂質合成に必須な酵素APS kinaseを標的とする阻害剤探索を開始した。400化合物のスクリーニングを行った結果、15化合物がAPS kinase活性を阻害すること、さらに、その中の3化合物が赤痢アメーバ細胞内のAPS kinase活性の阻害に伴う含硫脂質の合成を阻害すること、その結果、栄養体増殖およびシスト形成を停止させることを見出した。以上のことから、赤痢アメーバにおける含硫脂質合成の重要性が明らかとなり、今後これら3化合物を用いて含硫脂質代謝産物が担う赤痢アメーバ生活環維持のための制御機構の全容解明を目指す。
抄録:

英語フィールド

Author:
Title:
Announcement information:
Vol: 61 Page: 177-179


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