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著者:福山哲平, 西田寛汰, 吉本怜子, 澤田孟志, 高 玮琦, 城戸瑞穗題名:O-020.マウス軟骨原基への血管侵入に関わるメカノセンサーチャネル発表情報:日本解剖学会第78回九州支部学術集会, 2022,10,29キーワード:概要:骨の形成と成長には血管が重要な役割を果たしている。加齢や骨粗鬆症に伴い、骨に分布する血管が減少するが、なかでもEndomucinおよびCD31を高発現する骨特異的血管と呼ばれる血管が骨芽細胞と相互作用することから、骨形成に重要な血管であると認識されている。軟骨内骨化過程では、軟骨原基に一次骨化中心が形成され血管網が形成されると同時に骨形成が活発になる。この過程で、血管内皮細胞がどのように軟骨原基へと侵入するのか、またそれらを取り巻く微小環境や分子メカニズムは未だ解明されていない部分が多い。そこで、一次骨化中心形成に伴う骨特異的血管の侵入に着目し、組織形態と細胞成分との関連を調べることとした。さらに、細胞移動や進展に伴う力学的な環境変化を力の大きさに応じて活性化する陽イオンチャネルであるメカノセンサーPiezo2の局在を超解像顕微鏡で明らかにすることとした。胎生14.5日齢のマウスの長管骨軟骨原基の中央部には、I型コラーゲンの局在を伴う傍軟骨膜(骨襟)と呼ばれる膠原線維の膜が出現していた。その直下にはendomucin陽性の血管が密に分布していた。傍軟骨膜の中には、Ⅰ型コラーゲンの発現が弱い数ミクロンの部分があり、その部位にEndomucin陽性の血管内皮細胞がI型コラーゲンの層を貫いて軟骨原基へ向かって細胞突起を進展していた。さらに軟骨原基へ向かう血管内皮細胞の細胞突起には、線維状アクチンとともにPiezo2の局在を認めた。コラーゲンの層の細胞外基質分解に関与する分子としてカルシウム要求性のCalpain2に着目した。Calpain2は侵入前のI型コラーゲン近傍に存在するEndomucin陽性細胞血管の周囲に多く局在していた。血管侵入が進んだI型コラーゲンの層が薄い部位にはCalpain2発現を認めなかった。これらより、メカノセンサーチャネルおよびCalpain2が骨発生期における血管の進入およびコラーゲン分解に関与する可能性が示唆された。抄録:英語フィールド
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