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腎細胞癌における脂肪組織と物理学的微小環境(流体刺激)の役割とその制御機構

発表形態:
一般講演(学術講演を含む)
主要業績:
主要業績
単著・共著:
共著
発表年月:
2019年10月
DOI:
会議属性:
国内会議
査読:
無し
リンク情報:

日本語フィールド

著者:
永瀬圭,青木茂久,力武美保子,有働和馬,東武昇平,野口満,戸田修二
題名:
腎細胞癌における脂肪組織と物理学的微小環境(流体刺激)の役割とその制御機構
発表情報:
第23回日本臨床内分泌病理学会 学術総会, 2019, 10, 4-5
キーワード:
概要:
【緒言】近年、肥満やメタボリック症候群が腎細胞癌の発症・病態に深く関与していることが示唆されているがその詳細は不明である。腎臓は豊富な脂肪組織に囲まれており、脂肪組織と腎細胞癌との密な相互作用の存在が予想される。以前我々は尿細管の細胞動態に脂肪組織のパラクライン効果が関わることを報告しているが、腎細胞癌については不明である。さらに癌の発育、増殖、浸潤における組織内の間質液の流れ(流体刺激)が、腫瘍の悪性度と密接に関連することが報告されているが、腎細胞癌においては不明である。本研究は我々が新たに構築した3次元微小環境再現モデルを用いて、腎細胞癌の細胞動態に対する脂肪組織と物理学的微小環境(流体刺激)が与える影響を検討した。 【方法】淡明細胞型癌細胞株(KMRC-1)、と生後4週のラットから採取し細切した腎周囲脂肪組織片との混合培養を行った。またマクロファージとしてTHP-1を用いた。脂肪組織片をI型コラーゲン内に包埋しゲル上にKMRC-1を播種した。対照は腎癌細胞単独とした。これらの混合培養ゲルを静置下と流体刺激下で培養を行った。7日間培養後に組織学的解析と蛋白発現を解析した。 【結果】脂肪組織と流体刺激はいずれも腎癌細胞の増殖、浸潤を促進した。流体刺激下における脂肪組織との共培養は、腎癌細胞の増殖、浸潤能の亢進に相乗的に作用した。増殖因子の同定のため蛋白解析を行った結果、VEGF、MMP-2が脂肪組織と共培養で高値を認めた。抗VEGF薬(Sunitinib)を投与すると、流体刺激下では著明に腎癌細胞の増殖が抑制された。またその際のシグナル伝達経路としては、MAPK経路が関わっていることが示唆された。 【結語】脂肪組織(細胞学的微小環境因子)と流体刺激(物理学的微小環境因子)は腎癌細胞の増殖・浸潤の制御因子であることが示唆された。
抄録:
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