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著者:森本拓海, 小島昌一 読み: モリモトタクミ,コジマショウイチ題名:ヒートショックを考慮した福岡県の住宅における居室及び非居室の温熱環境に関する研究発表情報:日本建築学会九州支部研究報告・環境系 号: 第59号・2 ページ: 137-140キーワード:ヒートショック、住宅概要:我が国では近年の空調機器の進展により、住宅における居間や寝室等の居室の温熱環境が向上している。
その一方で、浴室や脱衣室等の居室に該当しない室(以下、非居室)は居室より在室時間が短いため、従来から温熱環境に配慮していない住宅が多く見られる。
従って居住者は入浴や排泄等の行為によって居室・非居室を行き来する際に、極端な空気温度差に曝露されヒートショック(以下、HS)による健康被害が危惧される。
人口動態統計によると家庭内における不慮の事故による1月、2月、12月(以下、冬季)の死者率は1980年以降、10年毎の統計より経年増加しており、2019年はこのうち生産年齢人口、高齢者ともにHSに起因する溺死・溺水による死者数が最も割高であることが確認されている。
我が国の冬季における浴室及び脱衣室の至適とされている空気温度は種々提案されているが、これらは着衣量等の温熱感覚に影響する要素に統一性がない。
本研究ではHSが起こりやすいと一般的に言及されている空気温度差10℃以上について再検討を行い、実測調査や室温変動シミュレーションにより前述を踏まえてHSを考慮した住宅の温熱環境を調査する。
本研究の調査結果から得られた事項を以下に示す。
・HSが起こりやすい室間のPMV差は熱的快適に関わる6要素を考慮して1.37以上である。
・PMV差1.37が与える空気温度差は築年数が長い住宅A及び住宅Bにおいて全ての室間でこれまでにHSが起こりやすいと言及されてきた10℃差を下回った。
・全ての住宅において非居室同士は居室-非居室よりもHSが起こりやすい空気温度差が小さい。
・非居室の改修による居室-非居室の空気温度差は0.3℃~0.7℃小さくなったが、改善されたとは言えず、脱衣室の暖房の導入が効果的あると推測される。抄録:我が国では近年の空調機器の進展により、住宅における居間や寝室等の居室の温熱環境が向上している。
その一方で、浴室や脱衣室等の居室に該当しない室(以下、非居室)は居室より在室時間が短いため、従来から温熱環境に配慮していない住宅が多く見られる。
従って居住者は入浴や排泄等の行為によって居室・非居室を行き来する際に、極端な空気温度差に曝露されヒートショック(以下、HS)による健康被害が危惧される。
人口動態統計によると家庭内における不慮の事故による1月、2月、12月(以下、冬季)の死者率は1980年以降、10年毎の統計より経年増加しており、2019年はこのうち生産年齢人口、高齢者ともにHSに起因する溺死・溺水による死者数が最も割高であることが確認されている。
我が国の冬季における浴室及び脱衣室の至適とされている空気温度は種々提案されているが、これらは着衣量等の温熱感覚に影響する要素に統一性がない。
本研究ではHSが起こりやすいと一般的に言及されている空気温度差10℃以上について再検討を行い、実測調査や室温変動シミュレーションにより前述を踏まえてHSを考慮した住宅の温熱環境を調査する。
本研究の調査結果から得られた事項を以下に示す。
・HSが起こりやすい室間のPMV差は熱的快適に関わる6要素を考慮して1.37以上である。
・PMV差1.37が与える空気温度差は築年数が長い住宅A及び住宅Bにおいて全ての室間でこれまでにHSが起こりやすいと言及されてきた10℃差を下回った。
・全ての住宅において非居室同士は居室-非居室よりもHSが起こりやすい空気温度差が小さい。
・非居室の改修による居室-非居室の空気温度差は0.3℃~0.7℃小さくなったが、改善されたとは言えず、脱衣室の暖房の導入が効果的あると推測される。英語フィールド
Author:Morimoto Takumi, Kojima ShoichiTitle:Study on the thermal environment of living and non-living rooms in houses in Fukuoka Pref. considering heat shockAnnouncement information:AIJ Kyushu Chapter Archtectural Research Meeting (Environment) Issue: 第59号・2 Page: 137-140Keyword:heat shock, residential building