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[P125] 一般演題125 肝臓:研究1 P125-1肝胆膵 NASH様状態における肝細胞癌細胞株に対するファルネシル転換酵素阻害薬の細胞増殖抑制作用の可能性

発表形態:
一般講演(学術講演を含む)
主要業績:
主要業績
単著・共著:
共著
発表年月:
2021年
DOI:
会議属性:
国内会議
査読:
無し
リンク情報:

日本語フィールド

著者:
山田 浩平, 田中 智和, 松藤 祥平, 伊藤 孝太朗, 江川 紀幸, 北島 吉彦, 能城 浩和
題名:
[P125] 一般演題125 肝臓:研究1 P125-1肝胆膵 NASH様状態における肝細胞癌細胞株に対するファルネシル転換酵素阻害薬の細胞増殖抑制作用の可能性
発表情報:
第76回日本消化器外科学会総会(ハイブリッド開催), 2021, 7, 7-9(現地参加及びライブ配信), 2021, 7,30- 8,31(オンデマンド配信),[P125] 一般演題125, 肝臓:研究1
キーワード:
概要:
【背景】NASHおよびNASH肝癌は肥満やインスリン抵抗性に起因するコレステロールの肝臓への蓄積が原因の一つとなる.我々が着目する蛋白質のファルネシル化は翻訳後修飾の一つであり,ファルネシル化に用いられるファルネシルピロリン酸はコレステロール合成経路であるメバロン酸経路の中間体である.Ras蛋白の活性化にはファルネシル化が必須であるため,ファルネシル化は抗癌剤のターゲットとして注目されてきた.他方,ファルネシル転換酵素阻害薬(FTI)は抗癌作用のみならず,炎症やインスリン抵抗性改善効果が報告されている. 【目的】炎症や線維化を背景とするNASH肝癌に対するFTIの効果をin vitro実験で検証する. 【方法】肝細胞癌細胞株としてHepG2,Hep3B,Huh-7を使用,また,FTIとしてTipifarnibを使用した.それぞれ炎症惹起モデルとしてサイトカイン添加(TNF-α/IFN-γ/LPS),脂肪滴産生モデルとしてパルミチン酸添加条件を作製し,炎症反応,インスリン抵抗性経路に関わる蛋白の発現,およびTipifarnib投与による発現の変化をWestern blot,ELISAを用いて解析した.また,それぞれの条件においてトリパンブルー法を用いた細胞増殖試験を行った.さらにFACSを用いて活性酸素産生を評価した. 【結果】癌の悪性度やエネルギー代謝変容,また炎症に関わるKey factorの一つであるHIF-1αに着目したところ,全細胞株において常酸素下でその発現を認めたが,Tipifarnib投与によって明らかに抑制された.炎症惹起モデル,脂肪滴産生モデルの両条件下では,HIF-1αの発現増強を認めた一方,Tipifarnib投与によって強力に抑制された.さらに,両モデルでTipifarnib投与による細胞増殖抑制効果が確認された.また,炎症反応として細胞内IL-6を評価したところ,両モデルにおいて発現上昇を認め,Tipifarnib投与によって抑制される傾向を認めた.活性酸素測定に関しては,特に炎症惹起モデルにおいて活性酸素量の増加を認め,Tipifarnib投与ではさらなる増加を認めた. 【結語】FTIはNASH肝癌において炎症改善効果および増殖抑制効果を示す可能性がある.今後,FTI投与による活性酸素量変化と増殖抑制効果との関連性など,そのメカニズム解明を図りたい.
抄録:
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