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アートプロジェクトと都市空間

発表形態:
一般講演(学術講演を含む)
主要業績:
主要業績
単著・共著:
単著
発表年月:
2017年03月
DOI:
会議属性:
国内会議
査読:
無し
リンク情報:

日本語フィールド

著者:
山下宗利 読み: ヤマシタムネトシ
題名:
アートプロジェクトと都市空間
発表情報:
(社)日本地理学会2017年春季学術大会
キーワード:
アートプロジェクト、都市、再生、ジェントリフィケーション
概要:
都市空間とアートプロジェクトとの関係を用いて、日本におけるアートプロジェクトの近年の動向を把握するとともに、中央と地方、すなわち東京と地方との芸術文化活動に伴う文化資本の蓄積の地域間格差を明らかにした。本分析では小学校の規模別にみた鑑賞教室の実施率データを用いて、一元配置分散分析を行うことによって有意差を見出した。
抄録:
 アートプロジェクトに対してさまざまな学問分野からの研究蓄積がある。地理学においても地域の固有性やアートと場、といった視点からのアプローチがなされてきた。地域に根ざしたアートプロジェクトという観点から、越後妻有「大地の芸術祭」や直島に代表される「瀬戸内国際芸術祭」、「釜ヶ崎芸術大学」などが研究対象とされてきた。作家、行政やNPO、ボランティア、地域の住民、一般の参加者のアートプロジェクトへのプロセスとまなざしが考察されてきた。  都市空間に眼を移すと、大都市の都心では名高い美術館や博物館、ギャラリーが数多く立地し、商業主義的作品の展示場所になっている。これらとは一線を画して、都心周辺部ではアーティスト・イン・レジデンスという形で地域に根ざしたアートプロジェクトが進行中である。これは、作家が当該地域に住み込み、その地域の風土に自らのオリジナリティを忍び込ませ、刻み込みながら作品を制作する形態である。地域資源を発掘し、地元の作家や住民との交流を通して地域活性化に結び付けようとする活動である。これら二つのアートプロジェクトは異なった場所で併存しており、互いの地域差を価値にしている。  若い作家が空き家をアトリエにして作品の制作・発表場所として活用している事例もある。作家志望の大学生をはじめ、さまざまな人々が作家と関係性をもちながらコミュニケーションが生まれている。しかし当該地域が活性化し、ジェントリフィケーションが起こると、経済的に困窮した若い作家にとってその場所はもはや最適な活動場所ではなく、新たな制作場所を求めて移動するようになる。グローバル化の進行に付随したローカル性の追求がそこに見て取れる。

英語フィールド

Author:
YAMASHITA, Munetoshi
Title:
Effects of Art Projects on Urban Space
Announcement information:
Keyword:
art project, urban, regeneration, gentrification


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