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フィールドワークが生徒に及ぼす影響 —中学校社会科単元「身近な地域を調べよう」を事例に—

発表形態:
原著論文
主要業績:
主要業績
単著・共著:
共著
発表年月:
2009年08月
DOI:
会議属性:
指定なし
査読:
無し
リンク情報:

日本語フィールド

著者:
井手秀成・山下宗利 読み: イデ シュウセイ・ヤマシタ ムネトシ
題名:
フィールドワークが生徒に及ぼす影響 —中学校社会科単元「身近な地域を調べよう」を事例に—
発表情報:
佐賀大学文化教育学部研究論文集 巻: 14 号: 1 ページ: 237-260
キーワード:
フィールドワーク、地理、中学校、地域
概要:
本研究の目的は、フィールドワークが生徒に及ぼす影響を明らかにすることである。本研究では、フィールドワークが生徒に及ぼす影響を明らかにするため、二つのそれぞれのクラスに対して学習内容を同一にし、一方はフィールドワークを実施するクラス、もう一方は実施しないクラスを設け授業を実践した。学習後それぞれのクラスの生徒達の感想文とアンケートよりどのような差異がみられるのかを比較・分析した。その結果、フィールドワークを実施したクラスの生徒において、(1)地域を見る視点の変化、(2)具体的な地理的見方・考え方の育成、(3)さらなる学習意欲の喚起、といったより高い学習効果が生じていることが明らかになった。
抄録:
本研究の目的は、フィールドワークが生徒に及ぼす影響を明らかにすることである。フィールドワークを取り入れた学習は、地理学習の中で重要であると漠然と指摘されてはきたものの、教科書を主たる教材とした教室内だけでの授業に比べ、どのような学力がつき、どのような学習効果が上がったのかといった研究が十分になされてきたとはいえない。本研究では、フィールドワークが生徒に及ぼす影響を明らかにするため、二つのそれぞれのクラスに対して学習内容を同一にし、一方はフィールドワークを実施するクラス、もう一方は実施しないクラスを設け授業を実践した。学習後それぞれのクラスの生徒達の感想文とアンケートよりどのような差異がみられるのかを比較・分析した。その結果、フィールドワークを実施したクラスの生徒において、(1)地域を見る視点の変化、(2)具体的な地理的見方・考え方の育成、(3)さらなる学習意欲の喚起、といったより高い学習効果が生じていることが明らかになった。また一方で、フィールドワークに対して不満を抱く生徒や、より長時間のフィールドワークを望んでいる生徒もみられた。さらに、「移動時間がもったいない」、あるいは「歩くならもっと自由に探検したい」という感想も存在した。これらは、裏を返せば、生徒たちは、時間をかけたより高次の充実したフィールドワークを期待していると言える。すなわち、これらの感想は、教師主導巡見型のフィールドワークの限界性を暗に指摘しているのであり、生徒の学習能力を引き出し、より高い学習効果を生み出すようなフィールドワークの在り方、取り組みを考える必要である。またフィールドワークを実施しなかったクラスの生徒たちには経験しなかったことに対する不満もあり、ここからも、明らかにフィールドワークが、生徒たちに学ぶ意欲を与えるきっかけになっていることが判明した。

英語フィールド

Author:
IDE Shusei, YAMASHITA Munetosi
Title:
Effects on Junior High School Students by Field Works in Geographical Learning
Announcement information:
Vol: 14 Issue: 1 Page: 237-260


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