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著者:*平田健悟, 森本忠嗣, 吉原智仁, 塚本正紹, 園畑素樹, 馬渡正明題名:軸椎と第1腰椎のCT値は骨粗鬆症評価項目となりうる発表情報:第95回日本整形外科学会学術総会(ハイブリッド開催), 2022, 5,19-22(現地開催) , 2022, 6, 8- 7, 7(オンデマンド配信)キーワード:概要:【目的】骨粗鬆症評価項目として腰椎(L1-4 または L1-3)
の骨密度(DXA 法,YAM 値)がゴールドスタンダードであ
るが,変性骨棘や既存骨折や大動脈石灰化などにより精度
が低下する.そのため,近年,任意の海綿骨領域を評価す
る CT 値が注目されている.脆弱性骨折の多い軸椎(C2)
や腰椎の CT 値が骨粗鬆症が予測できればスクリーニング
の観点から有用となる.今回の目的は C2,L1CT 値の骨
粗鬆症評価項目との相関を明らかにすることである.
【方法】当科での脊椎手術例 81 例(男:女=44:37,平
均年齢 69 歳)を対象に,CT 値:C2 (矢状断中央部),L1 (矢
状断,軸状断,前方 1/3 の中央部)および骨粗鬆症との関
連が報告されている骨密度(L1 YAM 値,L1-4 YAM 値),
25OHD,筋量(BIA),AGE(経皮蛍光法)を調査した.CT
値との各項目の相関を検討した.
【結果】C2CT 値は L1 YAM (r=0.38),L1-4 YAM (r=
0.5),筋量(r=0.32),L1CT 値(矢状断)は L1 YAM (r=
0.55),L1-4 YAM (r=0.53),L1CT 値( 軸 状 断)は L1
YAM (r=0.6),L1-4 YAM (r=0.6), 筋 量(r=0.36), お
よび L1 矢状断と軸状断の間(r=0.88)で有意な相関を認め
た(p<0.05).
【考察】C2,L1CT 値と L1 YAM,L1-4 YAM には正の相
関を認め,骨粗鬆症評価項目として期待できる.C2 は頭
部 CT で,L1 は胸部,腹部 CT のどちらでも撮影範囲に
含まれるので,骨粗鬆症を早期発見するスクリーニング
ツールとしての有用性が示唆された.また,C2,L1CT 値
と筋量には正の相関があり,骨粗鬆症とサルコペニアの関
連を示唆する結果であった.両者の視点からのアプローチ
は新たな診断法のみならず,予防法や治療法の開発に役立
つ可能性がある.
【結論】C2,L1CT 値は骨粗鬆症評価項目として期待でき
る.抄録:日本整形外科学会雑誌, 96巻3号 Page S915英語フィールド
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