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著者:吉原智仁, 森本忠嗣, 塚本正紹, 大谷晃司, 園畑素樹, 馬渡正明題名:ロコモティブシンドロームとメタボリックシンドロームの相互関係についての探索的検討発表情報:第95回日本整形外科学会学術総会(ハイブリッド開催), 2022, 5,19-22(現地開催) , 2022, 6, 8- 7, 7(オンデマンド配信)キーワード:概要:【目的】要介護・要支援の 3 大原因として,運動器疾患,
認知症,脳血管疾患があり,おのおのの前段階,可逆的状
態であるロコモティブシンドローム(以下ロコモ)やメタボ
リック症候群(以下メタボ)は相互に影響しあい合併するこ
とが知られている.さらに,がん患者の増加とともにがん
ロコモとも呼称される運動機能低下例も増加している.本
研究では一般住民におけるロコモの疫学的調査を行いメタ
ボやがんとの重積について検討を行う.
【方法】令和 2 年に福島県南会津町/只見町における特定
健診受診者名中,データ欠損のない 183 名(男性 60 名,
女性 123 名,平均年齢 72 歳)を対象とした.身体診察,
血液検査とロコモ 25 よりロコモ度 0,1,2 以上の 3 群に
分けロコモ度別でのメタボ,がん,四肢・体幹の慢性痛の
頻度を調査した.統計学的検討は χ2 検定,t 検定を用いて
危険率 5%未満を有意差ありとした.
【結果】ロコモ度 0,1,2 以上の頻度(平均年齢)はおの
おの,44%(68 歳),36%(70 歳),20%(77 歳)(p<0.001),
メタボの重積は 12%,14%,24%(p<0.05),慢性痛自覚
例 20%,32%,72%(p<0.001),がんの併存は 14%,8%,
9%であった.
【考察】ロコモ度の重症化は移動能力の低下を意味する.
本研究よりロコモ度の重症化とともに平均年齢,メタボや
慢性痛の合併頻度は増加し,ロコモとメタボや慢性痛との
密接の関連が示された.諸家の報告でも移動能力の低下は,
メタボや慢性痛の併存率,死亡率の増加と相関することが
報告されている.整形外科の治療で痛みは改善し,ロコモ
度(移動能力)も可逆的に改善しうることから,ロコモの予
防や治療は,併存疾患や生命予後の改善に繋がる.また,
ロコモの研究がメタボや慢性痛の治療に役立つ鍵となる可
能性があり,今後も整形外科医の果たすべき役割は増加し
ていくと考える抄録:日本整形外科学会雑誌, 96巻2号 Page S299英語フィールド
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