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著者:*戸田 雄, 森本 忠嗣, 平田 寛人, 吉原 智仁, 前田 和政, 馬渡 正明題名:前立腺癌骨転移における溶骨性病変と臨床病理学的特徴との関係性の検討発表情報:第94回日本整形外科学会学術総会(ハイブリッド開催), 2021, 5,20-21(現地開催), 2021, 6,10- 7,12(WEB開催)キーワード:概要:【背景】前立腺癌の骨転移率は約70%と高く,多くは造骨型であり,溶骨型は少ない.前立腺癌における溶骨型また造骨型骨転移における患者背景・原発巣の病理学的特徴・腫瘍学的動態の差異は不明である.【目的】前立腺癌骨転移例の溶骨型骨転移の患者背景や原発巣の病理学的特徴を明らかにすること.【方法】当院泌尿器科で加療された前立腺癌骨転移66例(骨転移診断時平均年齢72歳)を対象に,前立腺癌および骨転移の診断時年齢,BMI,喫煙の有無,リンパ節転移の有無,重要臓器転移の有無,組織学的特徴,グリソンスコア,初診時骨転移(脊椎・四肢)の有無と骨転移型,整形外科的手術歴の有無,骨修飾薬投与の有無,骨転移診断後の予後を電子カルテから調査した.骨転移型から造骨型と溶骨型に大別し,上記調査項目を比較検討した.統計学的検討にはWilcoxon検定,Fisher検定を用いた.予後はlog-rank検定で行い,p<0.05を有意差ありとした.【結果】前立腺癌の診断時に45例(68%)が骨転移を認め,全体では造骨型50例(76%),溶骨型16例(24%)であった.溶骨型と造骨型で,おのおの,診断時平均年齢72歳,71歳(p=0.5539),平均BMI 23.0,21.9(p=0.1815),喫煙歴あり50%,64%(p=0.6526),リンパ節転移あり56%,38%(p=0.7768),重要臓器転移あり25%,26%(p=1.0000),グリソンスコアが8以上は83%,91%(p=0.5960)骨転移部位は四肢25%,28%(p=1.0000),脊椎94%,74%(p=0.1587),脊椎転移少数例(1-3個)は63%,24%,多発例(4個以上)は31%,50%(p<0.05),整形外科手術実施率31%,4%(p<0.01),骨修飾薬使用率44%,36%(p=0.7679),5年生存率73%,69%(p=0.5380)であった.【考察】溶骨型骨転移では造骨型骨転移と比較し患者背景・原発巣の臨床病理学的特徴には有意な差異を認めなかった.これらは一連した変化の可能性がある.溶骨型病変も前立腺癌転移の可能性を考える必要がある.抄録:日本整形外科学会雑誌 95巻 2号 Page S471英語フィールド
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