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【背景】骨粗鬆症の病態評価として骨代謝マーカーが計測されるが,血中25OHD(25 hydroxyvitamin D)濃度と骨代謝マーカーとの関係は明らかでない.今日,血中25OHD濃度と骨代謝マーカー等との関係を調査することを目的とした.【方法】60歳以上の脊椎手術例のうち,骨粗鬆症治療例・脊椎転移例などを除外した129例を対象とし,血中25OHDと年齢,骨代謝マーカー(骨型酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ,1型プロコラーゲン-N-プロペプチド),副甲状腺ホルモン,血中CaP積や腰椎骨密度の関係を調査した.【結果】血中25OHDの平均値は16 ng/mlと低く,74%がビタミンD欠乏であった.25OHDと骨代謝マーカー等の間には有意な相関は認めなかった.【考察】対象症例の74%がビタミンD欠乏例だったが,骨代謝マーカーや骨密度ではその影響が顕在化せず,ビタミンD欠乏が過小評価される可能性が示唆された.