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著者:國吉功真、江良正直 読み: くによし、えらまさなお題名:スクイズアウト法による臭化鉛系層状ペロブスカイト量子井戸LB膜の作製とキャビティポラリトンデバイスへの応用発表情報:2019応用物理学会九州支部学術講演会キーワード:鉛ハライド系ペロブスカイト、量子井戸、キャビポラリトン概要:抄録:ハロゲン化鉛系層状ペロブスカイト化合物は、有機アミン誘電体層とハロゲン化鉛半導体層からなる量子井戸構造を形成し、その強い量子閉じ込め効果をから高い束縛エネルギーや振動子強度を有する励起子を形成する。加えて高効率の励起子発光を示すことや、Langmuir-Blodgett(LB)法等の手法によりnmスケールで膜厚が制御できることから、cavity polariton devicesへの応用が期待される。しかし、これまでの単純なLB法では、光学的に質の良い薄膜を得ることができなかったが、今回Squeezed out法を用いることで光学的に高品質な薄膜を作製することができた。
臭化鉛等を溶解した水相上に、ドコシルアミン臭化水素酸塩(C22)及びヘキサデシルアミン臭化水素酸塩(C16)をモル比1:1で溶解したクロロホルム:DMF=9:1溶液から単分子膜を展開、圧縮速度を4.8x10-20, 1.7x10-20, 9.0x10-21 m2molecule-1s-1と変化させ表面圧-面積曲線と反射スペクトルを測定した。
図1に表面圧-面積曲線を示す。圧縮速度が速いとC16はsqueezed outされず、単分子膜は崩壊した。圧縮速度が遅すぎるとアルキルアミン臭化水素酸塩が水相に溶け込み極限面積の小さな単分子膜となった。圧縮速度が1.7x10-20 m2molecule-1s-1の際に、プラトー領域が観測され、その後表面圧の立ち上がりが見られた。反射スペクトルにおいてプラトー領域から臭化鉛ペロブスカイトに特有の励起子バンドに対応するピークが390 nm付近に観測され、凝縮領域に達するとピーク値は飽和した。このことはプラトー領域でC16が水相へsqueezed outしペロブスカイト構造を形成、凝縮領域で構造形成が完了したことを示す。この単分子膜は、凝縮領域の表面圧で累積可能であった。また、このLB膜は従来法で作製したものに比べ、光学的品質にも優れていた。このLB膜の屈折率波長分散からシュミレーションした結果、130 meVの大きなラビ分裂が得られることが示された。これは、このLB膜がcavity polariton devicesとして応用可能であることを示している。現在、実際に素子を作製し、その光学特性について検討中である。英語フィールド
Author:T. Kuniyoshi, Masanao EraTitle:Preparation of Lead Bromide-Based Layered Perovskite Quantum-Well LB films by Squeezed Out Technique and Their Application to Cavity Polariton DevicesAnnouncement information:The 4th Asian Applied Physics ConferenceKeyword:lead halide-based layered perovskite, quantum well, cavity polariton