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分子混合法によりアントラセン発色団を導入した臭化鉛系層状ペロブスカイト量子井戸薄膜の構造と光学特性

発表形態:
一般講演(学術講演を含む)
主要業績:
主要業績
単著・共著:
共著
発表年月:
2019年11月
DOI:
会議属性:
国内会議
査読:
無し
リンク情報:

日本語フィールド

著者:
土井雅斗、江良正直 読み: どいまさと、えらまさなお
題名:
分子混合法によりアントラセン発色団を導入した臭化鉛系層状ペロブスカイト量子井戸薄膜の構造と光学特性
発表情報:
2019応用物理学会九州支部学術講演会
キーワード:
鉛ハライド系層状ペロブスカイト、LB膜、量子井戸、ハイブリッド励起子
概要:
抄録:
ハロゲン化鉛系層状ペロブスカイト[(RNH3)2PbX4, RNH3; 有機アンモニウムカチオン, X; ハロゲン]は、自己組織的に量子井戸構造を形成する半導体材料である。その有機層にπ共役系発色団を導入することは、低次元無機半導体としてでなく、有機分子の機能を利用した新しい量子井戸材料として興味がもたれる。1998年に、我々はナフタレン発色団を導入した臭化鉛系層状ペロブスカイトにおいて無機半導体励起子からのエネルギー移動による高効率燐光発光を報告した。1)これは、無機半導体層のワニエ励起子と有機層のフレンケル励起子とが弱結合したハイブリッド励起子形成に対応する。2) 我々は、強結合ハイブリッド励起子の実現のため、臭化鉛系層状ペロブスカイトの励起子吸収波長と同じ吸収波長で、振動子強度が大きく線幅の小さな吸収バンドを有するアントラセン発色団を有機層に導入することを試みた。 図1に用いたアントラセン誘導体の分子構造を示す(AnthC2)。とC3H7NH3Br(C3)を所定のモル比で混合したものを有機層として臭化鉛とモル比2:1でDMFに溶解しスピンコートすることによりアントラセン発色団を導入した臭化鉛系層状ペロブスカイト薄膜の作製を試みた。 吸収スペクトルの結果から、Anth C2のみを用いた場合には、層状ペロブスカイト構造が形成されていないことがわかった。AnthC2 :C3=2:1, C2anth:C3=1:1の場合には、400nm付近に強い励起子吸収が観測され、層状ペロブスカイト構造の形成が示唆された。またこの吸収はアントラセン発色団の吸収バンドと一致していることが確認できた。この結果は、X線回折プロファイルからも支持された。 30 Kにおける発光スペクトル測定の結果、無機半導体層励起子からの発光は観測されず、アントラセン三重項励起子からの発光(燐光)のみが観測された。この結果は、無機半導体励起子からアントラセン三重項励起子への効率の良いエネルギー移動が起こっていることを示しており、この系において、弱結合ハイブリッド励起子が形成されたことがわかった。 1) M. Era et al., Chem. Phys. Lett., 296, 417 (1998). 2) V. M. Agranovich et al., Chem. Rev., 111, 5179(2011).

英語フィールド

Author:
Masato Doi, Masanao Era
Title:
Structural and Optical Properties of Lead Bromide-Based Layered Perovskite Quantum-Well Films Prepared by Molecular Mixing Technique
Announcement information:
The 4th Asian Applied Physics Conference
Keyword:
lead halide-based layered peorvskite, LB film, quantum well, hybrid exciton


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