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著者:江良正直、土井雅人 読み: えらまさなお、どいまさと題名:アントラセン発色団を有機層に導入した臭化鉛系層状ペロブスカイト有機無機量子井戸薄膜発表情報:第47回(2019年秋季)応用物理学会講演会キーワード:lead halide-based perovskite, hybrid exciton, anthracene chromophore概要:抄録:ハロゲン化鉛系層状ペロブスカイト[(RNH3)2PbX4, RNH3; 有機アンモニウムカチオン, X; ハロゲン]は、自己組織的に量子井戸構造を形成する半導体材料である。その有機層にπ共役系発色団を導入することは、低次元無機半導体としてでなく、有機分子の機能を利用した新しい量子井戸材料として興味がもたれる。1998年に、我々はナフタレン発色団を導入した臭化鉛系層状ペロブスカイトにおいて無機半導体励起子からのエネルギー移動による高効率燐光発光を報告した。1)これは、無機半導体層のワニエ励起子と有機層のフレンケル励起子とが弱結合したハイブリッド励起子形成に対応する。2) 我々は、強結合ハイブリッド励起子の実現のため、臭化鉛系層状ペロブスカイトの励起子吸収波長と同じ吸収波長で、振動子強度が大きく線幅の小さな吸収バンドを有するアントラセン発色団を有機層に導入することを試みた。
図1に用いたアントラセン誘導体の分子構造を示す(C2anth)。とC2H5NH3Br(C2)を所定のモル比で混合したものを有機層として臭化鉛とモル比2:1でDMFに溶解しスピンコートすることによりアントラセン発色団を導入した臭化鉛系層状ペロブスカイト薄膜の作製を試みた。
図2に得られた薄膜の吸収スペクトルを示す。C2anth :C2=1:0, C2anth:C2=1:1の場合も、400nm付近に強い励起子吸収が観測され、層状ペロブスカイト構造の形成が示唆された。またこの吸収はアントラセン発色団の吸収バンドと一致していることが確認できた。但し、X線回折の結果より、C2anth:C2=1:1では層構造に対応した回折ピークが観測されたものの、C2anthのみを用いた場合には、回折ピークが観測されなかった。
現在、有機アミンの組成と構造との詳細な関係および光学特性について検討を進めている。英語フィールド
Author:Masanao Era, Masato DoiTitle:PbBr-Based Layered Perovskite Organic-Inorganic Quantum Well Films Having Anthracene Chromophore-Linked Ammonium Molecules as an Organic LayerAnnouncement information:2019 Autumn Meeting of JSAPKeyword:lead halide-based perovskite, hybrid exciton, anthracene chromophore