日本語フィールド
著者:*宮崎研丞, 藤井政徳, 河野俊介, 馬渡大介, 上野雅也, 園畑素樹, 馬渡正明題名:患者立脚型評価法を用いた股関節固定後に対するTHAの術後成績評価発表情報:第95回日本整形外科学会学術総会(ハイブリッド開催), 2022, 5,19-22(現地開催) , 2022, 6, 8- 7, 7(オンデマンド配信)キーワード:概要:【目的】患者立脚型評価法を用いて股関節固定後の THA
の術後成績を評価し,患者の満足度に影響する因子を明ら
かにすること.
【方法】1999 年から 2019 年の間に股関節固定後の THA
を行った患者のうち,患者立脚型質問表に回答が得られた
32例(32関節)を後ろ向きに調査した.性別は男性12例(12
関節),女性 20 例(20 関節),手術時平均年齢は 64 歳,術
後平均観察期間は 11 年(2-22 年)であった.固定の原因は
変形性股関節症 14 例,化膿性関節炎 6 例,結核性関節炎
12 例で,自然固定が 8 関節,固定術後が 24 関節であった.
平均固定期間は 39 年であった.患者立脚型評価は股関節
の状態に対する満足度 visual analog scale (VAS),
forgotten joint score-12 (FJS),hip disability and
osteoarthritis outcome score (HOOS)を用いた.客観的
評価は JOA score を用いた.満足度 VAS と各評価法との
関連(Pearson の相関係数),不満足(満足度 VAS<80)に
影響する因子について検討した(多重ロジスティック回帰
分析).
【結果】満足度 VAS の中央値は 87 であり,72%(23/32
関節)が股関節の状態に満足(VAS ? 80)していた.FJS,
HOOS,JOA score の平均値はそれぞれ 51,70,77 であっ
た.満足度 VAS と年齢,性別,BMI,原疾患,固定期間,
観察期間との間に有意な関連は認めなかった.一方,満足
度 VAS と FJS,HOOS-symptom,HOOS-QOL との間に
有意な正の相関を認めた(r=0.53 [p=0.002],r=0.41 [p
=0.019],r=0.45 [p=0.009]).満足度と最終観察時の
JOA score との間に相関は認めなかった(r=-0.05 [p=
0.822]).多変量解析の結果,FJS のみが不満足(満足度
VAS<80)の独立した影響因子であった(R2
=0.46,p<
0.001).
【考察と結論】股関節固定後に対する THA 後の股関節の
状態に対する満足度は高く,72%が満足していた.患者
立脚型評価法の 1 つである FJS は,HOOS や客観的評価
である JOA score に比べ,より良く患者満足度を反映し
ており,術後成績の有用な評価法であることが示唆された.抄録:日本整形外科学会雑誌, 96巻3号 Page S787英語フィールド
Author:Title:Announcement information: