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著者:松村陽介, 園畑素樹, 馬渡大介, 坂井達弥, 上野雅也, 藤井政徳, 長嶺里美, 河野俊介, 馬渡正明題名:Bioelectrical impedance analysis法による人工関節置換術後の体組成計測発表情報:第95回日本整形外科学会学術総会(ハイブリッド開催), 2022, 5,19-22(現地開催) , 2022, 6, 8- 7, 7(オンデマンド配信)キーワード:概要:【はじめに】Bioelectrical impedance analysis (BIA)法
は,簡便かつ安全に筋肉量や脂肪量などの体組成値を計測
することができる.しかし金属製のインプラントを使用す
る人工関節置換術後の患者に対して,BIA 法による体組成
計測の有用性に関しては知られていない.われわれは人工
関節置換術後の患者に BIA 法による体組成計測を行い,
術前後の変化について調査検討を行った.
【対象と方法】THA 症例 68 例と TKA 症例 48 例を対象
とした.デュアル周波数体組成計 DC-430A を用いて術前,
術後 7 日目および術後 2 カ月に体組成値を計測した.また,
年代別に分けて比較検討を行った.
【結果】術前,術後 7 日目,術後 2 カ月の順でそれぞれ,
THA 症例:体重 55.7 kg,55.2 kg,56.1 kg,筋肉量 35.9
kg,33.3 kg,35.0 kg,脂肪量 18.2 kg,20.0 kg,19.1
kg,TKA 症例:体重 57.1 kg,55.9 kg,55.9 kg,筋肉量
36.0 kg,32.5 kg,36.5 kg,脂肪量 18.9 kg,21.4 kg,
17.2 kg だった.両群とも術後 7 日目で筋肉量が減少,脂
肪量が増加するが,その後術後 2 カ月時点では術前の値に
回復していく傾向を認めた.変化量を 69 歳以下と 70 歳
以上の 2 群分けて比較すると,筋肉量:術前から術後 7 日
目で-2.0 kg,-4.1 kg,術後 7 日目から術後 2 カ月で+1.7
kg,+3.9 kg,脂肪量:術前から術後 7 日目で+1.5 kg,
+2.8 kg,術後 7 日目から術後 2 カ月で-1.1 kg,-3.7
kg であり,いずれも 70 歳以上の患者で変化量が大きかっ
た.(p<0.01)
【考察】両群とも,術後 7 日目の時点で筋肉量は減少し,
脂肪量が増加しており,安静臥床や手術侵襲による影響が
大きいと考えられた.術後 2 カ月では,両群とも術前の値
に 近 づ く 傾 向 を 認 め た.Dual-energy X-ray
absorptiometry (DXA)にて人工股関節置換術後の体組成
値を調べた先行研究においても同様の傾向が報告されてお
り,BIA 法は人工関節置換術後の患者においても有用と考
えられた.高齢者ほど,手術侵襲や安静臥床の影響を受け
やすいことが示唆された.抄録:日本整形外科学会雑誌, 96巻3号 Page S950英語フィールド
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