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著者:上野 雅也, 河野 俊介, 江頭 秀一, 園畑 素樹, 馬渡 正明題名:臀筋内脱臼股患者に対する人工股関節置換術カップ被覆率の三次元的評価発表情報:第94回日本整形外科学会学術総会(ハイブリッド開催), 2021, 5,20-21(現地開催), 2021, 6,10- 7,12(WEB開催)キーワード:概要:【目的】当院においてCrowe type IVb (殿筋内脱臼股)患者に骨盤側骨移植を併用して人工股関節置換術を行った症例を,3Dテンプレートソフトウェアを用いて後ろ向きに調査し,カップ被覆率を三次元的に評価すること.【方法】当院で2017年から2020年までに骨盤側骨移植を併用し人工股関節置換術を行った殿筋内脱臼股症例11例15股(女性9例13股,男性1例2股,手術時平均年齢68.8歳)を対象とした.術前に撮影したCTイメージを用いて3Dテンプレートソフトウェア(ZedHip,株式会社レキシー)内で骨移植を行わずにKyocera SQRUM HA シェル 46 mmを被覆率が最大となるよう設置し,カップ設置位置,被覆率をシミュレートした.また術後撮影したCTからカップ位置を抽出しシミュレーションとの比較を行った.【結果】シミュレーションでは全例でカップ中心位置は原臼蓋中央より後方となり,カップ下縁は原臼蓋下縁より下方となった.カップ被覆率は54.3±14.2%であり,7股でカップ被覆率は50%を下回っていた.骨移植併用人工股関節置換術後のカップ位置はシミュレーションと比較し平均4.7 mm高位となり,被覆率は90.3±8.2%であった.経過観察期間中に全症例でカップの移動は見られなかった.【考察】殿筋内脱臼股患者では大腿骨頭の殿筋内への脱臼に伴い寛骨臼も低形成となる.小さな原臼蓋に人工股関節カップを設置する際は初期固定の獲得に難渋するが,骨移植を併用することでより原臼蓋に近く設置しながらもカップ被覆率は増加し,有効な初期固定が得られていたと考えられる.3Dテンプレートソフトウェアは術前計画において骨移植のサイズや位置を検討する際だけではなく,骨移植を併用した術後の三次元的な位置・被覆率の計測にも有用であり,経時的に計測することで骨移植部のリモデリング,被覆率の経時的な変化も評価できると考えられた.抄録:日本整形外科学会雑誌 95巻3号 Page S945英語フィールド
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