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人工股関節の合併症対策 人工股関節全置換術における下肢長差・可動域制限に対する対策

発表形態:
招待講演・特別講演(学会シンポジウム等での講演を含む)
主要業績:
主要業績
単著・共著:
共著
発表年月:
2021年
DOI:
会議属性:
国内会議
査読:
無し
リンク情報:

日本語フィールド

著者:
園畑 素樹, 河野 俊介, 江頭 秀一, 上野 雅也, 馬渡 正明
題名:
人工股関節の合併症対策 人工股関節全置換術における下肢長差・可動域制限に対する対策
発表情報:
第94回日本整形外科学会学術総会(ハイブリッド開催), 2021, 5,20-21(現地開催), 2021, 6,10- 7,12(WEB開催)
キーワード:
概要:
人工股関節全置換術(total hip arthroplasty: THA)の3大合併症は,感染,脱臼,弛みである.下肢長差・可動域制限は3大合併症に入っていないが,近年のTHA では術後の高い生活の質(QOL)が求められるため,この2つはTHA を行うにあたって大きな問題である.米国では人工膝・股関節術後の医療訴訟の第1位が神経麻痺(13% ),第2 位が脚長差(7.9%)と報告されている.術前の状態によっては必ずしも脚長差ゼロ,可動域制限なしとはいかないが,最小限に抑える必要があり,また術後の脚長差・可動域制限に対する対策も念頭におく必要がある. 術前:両股関節正面単純X線写真に加えて,全下肢正面,腰椎正面像まで撮影して計画を立てることが望ましい. 術中:一期的脚延長は3 cm を上限とする報告が多く,術後脚長差の許容範囲は1 cm 以内とされている.軟部組織の緊張は,非常に重要であるが,神経・筋疾患を有する患者などでは計画どおりのインプラント設置では軟部組織の緊張が不十分な症例もある.オフセットを大きくするライナーやインプラントの使用も検討されるべきである.一期的脚延長は術後の可動域制限を生じさせる因子となる.カップの十分な内方化,関節包の切離,その他軟部組織の剥離などの処置も必要となる.当科では,内転筋の緊張が強い症例に対しては,人工股関節全置換術直後に内転筋切離を追加している. 術後:THA 後に可動域制限による機能的脚長差が残存した場合,ストレッチが行われるが,術前のストレッチが術後の可動域制限をどの程度予防できるかははっきりしていない.THA 後脚長差に対して補高装具もよく用いられる.しかし,3 cm を超えるものは患者のコンプライアンスが低く,転倒リスクともなる.下肢筋力低下やバランス能力の低下した症例に対しては注意が必要である.
抄録:
日本整形外科学会雑誌 95巻2号 Page S39

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